脳の力をカタチに変えるのが、心の「自信」だ

脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、脳が私たちのエンジンだとすれば、変速機(ギア)にあたるのが、「自信」だと言います。変速機は、エンジンの回転力を速度に変えてタイヤに伝える装置ですが、自信も同じ役目を持っています。脳と体の間に入って、脳の力を体に伝えるのが、自信だからです。

李承憲氏によると、私たちの脳は考えるだけで、それを実行に移せるわけではありません。それを「力」にするには、「自信」の助けが必要です。自信があれば、考えはすぐさま体の外へ表現されます。自信が強ければ強いほど、速度が早くなって実行力が高くなります。車のエンジンがいかに最高級仕様であっても、変速機が故障すれば前に進むことができないのと同じです。

自信がないと、実行に移せない考えばかりがたまっていくことになり、脳のネットワークが停滞します。自信を喪失した人は、判断や実行を保留したまま、消極的に状況を眺める傍観者でい続けてしまうのです。

李承憲氏の『脳教育原論』によると、自信があれば、脳は危険要素を鑑みず、積極的に反応します。土や鉄を飲んでも消化できる人は、脳がそれらを「食べ物」だと固く信じているため、脳の指示で土や鉄を消化できるほどの消化液が分泌されるのです。

自信をつけるには他人に褒めてもらうのがいいと考えられていますが、必ずしもその必要はありません。自分で自分を信じればいいのです。脳教育は自分を感じる感覚、自分に集中する感覚を目覚めさせることで、真の自信を育てていきます。