競争社会を変える「欲求」とは


現代は過酷な競争社会だと言われます。脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏も、現代社会について「勝者のみが中心に立ち、権力を持てるようにできている。競争に敗れた人は、社会の中心から追われたという敗北意識に囚われて、恐れと絶望という暗い運命を引き受けていくようになる」と指摘します。

現代人が自分を敗者と感じたとき、ことさら絶望にくれる理由は、人間としての基本的な欲求を満たせないからです。李承憲氏によれば、人間の抱える基本的な欲求とは、次の3つです。

(1)自分の安全を確保したいという欲求
(2)人に認めてもらいたいという欲求
(3)他人を自分の思い通りに動かしたいという欲求(支配欲)

現代人の感情や思考、そして人間関係はこの三つの欲求に大きく左右されやすくなっています。競争に敗れることは、これらの三つの欲求が満たされないことを意味します。

しかし、李承憲氏は「人間にはこの三つの欲求以外に、もう一つの欲求がある」といいます。その欲求こそ、私たちを一番人間らしく、また神聖な存在に導いてくれる欲求です。

その欲求とは、「あらゆるものと一つにつながりたい」という望みです。これは、調和と愛に根をおろし、物質的次元からではなく、私たちの根源から湧き出てきます。

自分が大いなる存在の一部だということを直視し、その揺るぎない安定感を体験すれば、「一つにつながりたい」という欲求が顔を出します。それは、魂の声でもあります。

競争社会を越えた真に幸せで美しい社会、調和と協同を通して価値を創造する社会は、この魂の声が出発点となります。