脳の潜在能力


 「その地位がその人を生み出す」という言葉があります。この言葉の真意は、社長の座にふさわしい人や平社員にふさわしい人がいるのではなく、いったん仕事を任せれば、その仕事にふさわしい資質や品性が、自分でも知らないうちに引き出され、発揮できるようになるという意味です。

実際、独特な経営方式で「サラリーマンの天国」と呼ばれている日本の未来工業という会社では、かつて昇進を、スキルやコネではなく、紙に名前を書いて扇風機で飛ばすか、ボールペンを倒して選ぶといった方法を取り、それが話題になったことがあります。

ちなみに、そのような方法で課長や部長などの管理職を選んでも、まったく業務に差し支えなかったということです。

脳に対する決定権は自分でしっかり守る

私はこれこそ、脳の驚くべき潜在能力だと思います。脳は自分が信じるとおりの能力を発揮します。社長だと信じれば、それにふさわしい能力を引き出し、アルバイトに過ぎないと考えれば、それだけの能力しか発揮しないのです。

脳をうまく使うためにも、自分の価値をみずから決める必要があります。たとえ平社員に過ぎないにしても、経営者のマインドを持って会社の経営状態に関心を抱けば、やる気が沸いて、仕事もできるようになります。

大切なのは、他人の評価や勝手につけられたランクに左右されないことです。

自分の価値は、自分が決めるものです。人に任せられるものではありません。人の評価や基準に従うのならば、人生そのものを他人の基準に合わせて生きるようになります。これでは脳を主体的に使うことができず、奴隷のように生きることになってしまうでしょう。

一指李承憲著『脳波振動』 講談社出版、2009年発行、35ページより引用