スピリチュアル系雑誌『スターピープル(StarPeople)』(2005年秋号)で、脳教育者 一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏と、『神との対話』著者のニール・ドナルド・ウォルシュ氏の対談が紹介されました。その要約を紹介します。
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ニール・ドナルド・ウォルシュ氏(以下、ニールと略す) 今、世界は、今までの状態を続けていくか、それとも変化を求めていくかの岐路に立っていると言えます。私には、今後もこれまでのやり方が維持できるとは思えません。人間の信念に、根本的な問題があると思っています。
一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏(以下、李と略す) これまで人類は経済・科学を発展させ、医学も飛躍的に進歩しました。しかし、「あなたは健康ですか?」「幸せですか?」と尋ねてみると、肯定的な答えをする方が少ない。その理由は、今までの人間の歴史が、間違った方法で進んできたことにあります。
ニール これまでの人類の考え方は、人と人が分離し、人と人生が分離している問違った信念体系でした。今後私たちがやるべきことは、ヒューマニティ(人間性)に対する考え方を変え、お互いの関係、人生に対する考えも変えていくことです。
李 これまで多くの人たちが神を必要とし、健康、幸せ、平和を願ってきました。しかし、私は「これからは神も悟りも必要ない」ということを断言したいです。神も悟りも必要ないことを知ることこそが悟りだと思います。
ニール 私自身、以前は神がいると思っていましたが、それは、神の存在と自分の関係がよくわからなかったからです。自分が誰であるかを知った今、神はもう必要でなくなりました。神は自分の心の中、自分の脳の中に入っているものだからです。悟りについても同じです。悟りが何かを知らないときは悟りを必要としますが、悟った状態では悟りは必要ないはずです。李承憲氏も「神と人間が一つであることを否定するのを止めよう」と提言されていますね。
李 神や悟りを知るために、今まで努力してきたほんの100分の1だけでも、自分の脳を知ることに向けたら、人類の歴史は変化すると思います。なぜなら、健康、幸せ、平和を感じるのは神でも悟りでもない、自分の脳だからです。我々の脳の中にはセロトニンというホルモンがあり、セロトニンが出てくると幸せを感じるようになります。セロトニンが何かを知り、セロトニンを出せるようになれば、誰もが幸せな生活を送ることができるでしょう。
ニール 脳とはまさに、宇宙から与えられたギフトだと思います。「私は誰か」だけでなく、「我々が誰か」ということを知るために白分の脳と心を利用することが、これから最も重要な挑戦となるのではないでしょうか。
李 すべての人に脳があるのに、脳の可能性を知る人は少ないです。私が考える悟りとは、脳を自覚することです。脳教育は、脳の感覚を覚ますことからスタートし、最終的に「脳の主人になること」を目指します。脳の主人になれば、神も悟りも何の意味も持たなくなります。私は、脳の主人になった人をニューヒューマン、つまり正常人だと呼んでいます。
ニール 宗教、政治、経済を通じてもできなかったことさえ、脳と心を使えばできますね。人間は、死ぬまでに5%くらいしか脳を使っていないと言われています。使われていない脳のわずか一部でも開発することができれば、そこに答えがあるはずだと思います。
李 今多くの人が脳の奴隷として生きています。自分の脳の主人として生きるか、自分の脳の奴隷として生きるか、それは自分の選択次第です。多くの人たちが脳について関心を持ち、脳教育のトレーニングを行ってほしいと思います。