脳の力で「物質」と「精神」をつなげる李承憲氏の哲学


世界的な脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏の哲学の基本の一つが、「物質」と「精神」を分離して考えるのでなく、互いをよりよく統合させる視点です。李承憲氏は「精神と物質は互いに対極にある価値ではなく、完全にかみ合って動いている」と言います。

「幸せ」や「平和」は目に見えない抽象的概念だと思われがちですが、李承憲氏によると、幸福や平和は物質的、科学的な作用を通じて作られるものです。体や脳で起こる物理化学的な作用の中で、健康な状態、幸せや平和の意識が生まれるのです。

物質と精神の深いつながりを端的に示すのが、私たちの「体温」です。東洋医学には、「水昇火降」(すいしょうかこう)という考え方があります。これは、頭が涼しくなり、下半身がぽかぽかと温かくなる状態のことで、健康に生きるための基本だと考えられています。

しかし、ストレスがたまったりすると、この水昇火降の状態が崩れます。頭に熱がたまり、下半身が冷たくなります。そうなると、不眠、うつなどメンタルな不調を招きやすくなります。体温という物理的な状態が「心」という抽象的なものに大きな作用を与える例です。

李承憲氏によると、私たちの脳の中では「物質の作用で精神が作られ、精神の作用で物質が作られる」という現象が常に起こっています。だからこそ、脳を目覚めさせることで、「物質」と「精神」の価値を一つに集約することができると、李承憲氏は言います。それが、脳哲学を実践するうえで重要なテーマの一つとなります。

一指 李承憲著『脳哲学』より