意識あってこその経験

私は米国アリゾナ州北部の小さな町、セドナに住んでいます。セドナは太古からそびえ立つ赤岩の群れの神秘的な美しさで良く知られていますが、中でも際立って美しい光景の一つが、砂漠に落ちる夕日です。夕暮れどきになると、青や榿、深紅、紫といった組み合わせが、言葉にできないほどの色の広がりを生み出します。

セドナの夕日を荘厳なものにしているのは、人間です。夕日を見るひとりひとりの意識が、比類ないほどの力強い光景にしているのです。

人の意識は、すべての現象に意味を与えます。私たちが日々味わう「経験」も、意識がもたらすものです。経験とはその瞬間に存在する全ての要素が人の知覚に及ぼす影響の総和であり、意識の覚醒のレベルによって、経験することの深さは異なります。

経験を通して受ける印象も、そこに存在するあらゆる物が与える印象を総体化したものになります。現代哲学では、これを「クオリア」と呼んでいます。言語や概念、デジタル化された情報とは異なり、経験のクオリアは複製できません。唯一無二です。

真の経験は、知識や分析、解釈を越えて、今を生きる瞬間、あらゆるものと共存することから生まれてきます。経験の世界においては、人とそれ以外の物との間に区別はありません。区別を感じているならば、それは現在にいるのではなく、名称や概念の世界に入ったということになります。

答えは自分の内面世界にある~李承憲氏の「セドナ=仲介役」論

世界的なパワースポットとして知られる米国セドナ。セドナに来ると、その大自然やネイティブ・アメリカンの魂が、様々な“気づき”を与えてくれると考えられています。しかし、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は著書『セドナ・メッセージ』で、セドナで得られるメッセージはセドナから発せられるのでなく、「自分自身」にすでにあるものだといいます。つまり、もともと自分の中にある「内面世界」が自らに話しかけているだけであって、「セドナは仲介役にすぎない」のです。

そもそも、私たちは、自分自身のことを誰よりもよく知っているはずです。だから、自分が何を一番望んでいるかも、よく分かっています。ところが、李承憲氏によると、私たちはその「本当の望み」を見て見ぬふりをする傾向があります。本当の願望を認めてしまうと、その実現に向けて行動に移さなければならないからです。

このため、本当の夢や願望にフタをして、他の人たちが歩いていく安全な道、無難な人生を真似して生きるようになります。そして、「それを幸福だと勘違いし、その中で安定を求める」(『セドナ・メッセージ』)のです。

しかし、それでは本当の幸福を得ることはできないと、李承憲氏は指摘します。自分を取り囲んでいる壁を壊し、真の自分を見つめる。そのとき、「すべての真実が姿を顕し、私たちに話しかけてくる。その内面の声を聞き、従うとき、私たちはようやく自分の道を進んでいける」のです。

李承憲氏のセドナの活動拠点「マゴガーデン」とは

米アリゾナ州セドナで、脳教育プログラムの開発・指導を行っている一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏。その活動の拠点となっているのが、「マゴガーデン」です。

もともと、マゴガーデンのある土地は、李承憲氏が韓国からセドナに移住して間もない1997年、李承憲氏が設立した非営利団体によって取得されました。李承憲氏の著書『セドナ・メッセージ』によると、土地を取得した当時は、一帯はたいへん荒廃していました。それを、李承憲氏がボランティア活動の仲間たちとともに年月をかけて補修・整備し、自然があふれる「地球の気持ちが感じ取れる」場所になりました。

李承憲氏によると、マゴガーデンをつくった目的は、世界中の人が脳教育プログラムを学ぶための拠点づくりです。人種や国家、宗教が異なる人がマゴガーデンを訪れ、瞑想し、心を開いて一つになる。そして、それぞれの暮らしの場に戻った後も、脳教育を実践し、自分やまわりの人びとの暮らしを美しく織りなしていく。そのための「魂を目覚めさせる場所」として、マゴガーデンがつくられました。

セドナの強烈な太陽と赤い大地からのヒーリング・エネルギーに水のエネルギーと木のエネルギーを加えるため、マゴガーデン内に湖がある花と木の豊かな庭園が造成されました。庭園の整備は、「無から有を創造する過程の連続だった」と李承憲氏は振り返ります。

湖がつくられると自然に近隣の野生動物たちが訪れるようになりました。マゴガーデンは「自然との調和」が強く意識されており、「人間だけがヒーリングをするのではなく、ここでともに暮らすあらゆる生命体をもヒーリングする」との李承憲氏の考えが貫かれています。

李承憲氏が注目するセドナの瞑想スポット「シャーマン洞窟」

世界最大級のパワースポットとして知られる米国アリゾナ州セドナ。その一角に、「シャーマン洞窟」(シャーマンズ・ケーブ)と呼ばれるスポットがあります。観光客にはあまり知られていない場所ですが、セドナ在住の一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、著書『セドナ・メッセージ』で、スピリチュアルな瞑想スポットの一つとして、シャーマン洞窟を紹介しています。

『セドナ・メッセージ』によると、シャーマン洞窟はかつて、ネイティブ・アメリカンの修行の場だったといいます。ネイティブ・アメリカンの部族を率いる「シャーマン」(祭司長)に推挙された人は、この洞窟で数日間修行をしました。この修行を無事にこなした人が、晴れてシャーマンになれたのです。

李承憲氏によると、シャーマン洞窟は満月の日になると神聖なエネルギーでいっぱいになるといいます。「漆黒の闇に輝く星明かり、そして月光、遠くから聞こえるコヨーテの鳴き声、行き来する人びとの息吹、これらすべてを一つに織りなす」(『セドナ・メッセージ』)といい、セドナの大自然と神聖さが満喫できます。

李承憲氏はここを小人数のグループで訪れ、瞑想をします。すると、空と山の交わる部分で立ち昇るエネルギーを見ることができ、エネルギーの帯がオーラのように山をとり囲んでいる様子も見られるといいます。「この世のあらゆる生命が一つにつながっていることを全身で感じられる瞬間」を味わうことができる場所。それが、シャーマン洞窟です。

自分の成長の邪魔になる感情や記憶を手放すには

私たちが執着するのは過去の影にすぎない。しかし、それが過去の影であることを認識できないまましがみつくかぎり、永遠の現在となり、私たちに付きまとう。

たとえば、古傷があるとしよう。傷は癒えても大小の傷跡を残す。今は完治して傷跡が残るばかりの傷を眺めつつ、依然として自分を患者だと勘違いする人であれば、決別したはずの病気も再発し、治ったはずの傷も悪化するものだ。

どうしたら否定的な感情や記憶から逃れられるか。まず自らに冷静に問わねばならない。自分は、本当にそれを克服したいのか? ためらわずに「そうだ」と答えられるなら執着から抜けだせるだろう。自分は自らの感情や記憶の主なのだ。だから何の未練もなく、もう手放すんだという固い意志を発揮し、その意志を守ればよいのである。

ところが、大勢の人に教えつつ知った事実の一つは、このような道理を簡単に感じ取れない人が思いのほか多いことだった。感情を自分から引き離して客観的に眺められない人が多いのである。ゆえに私は、感情や記憶を目に見える形で形象化したり、想像力を利用して浄化する瞑想法を教えている。この瞑想をするのにグランド・キャニオンほどよい場所はない。ここの大地はあらかじめ人の心を半開きにしてくれるからだ。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『セドナ・メッセージ』より

太古から人類の脳が求めていたもの~ライフ・パーティクル

「ライフ・パーティクル」とは宇宙を構成する最も基本的な粒子であり、情報と生命を伝達する最小単位の粒子であると私は考える。これは瞑想を通じて得た私の洞察と直観よりもたらされたコンセプトである。だから、科学的に立証する方法はないものの、いつの日か、未来科学が同じ発見に到達することを望むとともに、そうなると信じている。

ライフ・パーティクルは、限りなく多様な周波数で振動し、多様に集まっては散らばる数多の生命現象をつくり出す。ライフ・パーティクルは、可視的な物質世界から不可視的な精神世界に至るまでの全宇宙を埋め尽くしていて、時間と空間に制約されず、どこへでも、いつでも自由に移動できる。

ライフ・パーティクルは、視覚的には明るくひかる光の微粒子や光の粉として表現しうる。ベルロックの水晶宮での体験がまさに、私の身体が完全に消えてライフ・パーティクルそのものとなり、無限なる宇宙のエネルギーと一体化する体験であった。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『セドナ・メッセージ』より

歴史と自然が豊かな「光の都市」~セドナ

世界のどの国、どの民族であれ、彼らの聖地とする霊験あらたかな山や神秘的な場所があるものだ。そのような場所には並大抵ではないエネルギーに惹きつけられて多くの人が集まってくる。セドナも、まさにそうして場所の一つだった。私はインド、チベット、エジプト、南米、ヨーロッパなど、世界中の有名な聖地をあまねく旅したが、セドナほど心惹かれる場所には出会えなかった。すでに15年もの間、多くの時間をセドナで過ごしているが、毎日目にするここの赤岩と夕陽はいつも新しい感動をもたらす。

セドナはアメリカ西部の砂漠地帯であるアリゾナ州の中心に位置する小都市だ。壮大な峡谷で有名なグランド・キャニオンから車で約2時間の距離にあり、アリゾナ州の州都であるフェニックスからは北へ200キロメートルあまり離れた場所に位置している。壮大な赤岩が散在しているので、よく「赤岩の地方」と呼ばれる。

セドナは砂漠地帯にあるので暑い夏のような気候と思われがちだが、ここにも美しい四季がある。春には乾燥した野原に野の花が群落をなして咲きほころび、秋にはオーククリーク・キャニオンに沿って黄金色や朱色の紅葉が見られる。セドナの冬もまた美しい。赤岩の上に白い雪がこんもりと降り積もる様子も壮観だが、雪が降りやんで太陽が射すと、赤岩の上の真っ白な雪と緑のサボテン、そして青い空が調和し、まばゆい光をまき散らす。その光景を見ていると、なぜ人びとがセドナを光の都市というのかがわかり、自然と頷いてしまう。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『セドナ・メッセージ』より

地球との交流法④「手で二つの魂をくっつける」~李承憲著『セドナの夢』より


肉体と肉体は一つになれません。しかし魂と魂は完全に一つになれます。「気」について知っていれば、魂について簡単に理解できます。魂は気を通じて活動するからです。

両手を持ちあげ、胸の前で手のひらを向かい合わせにします。両手の間でエネルギーが感じられるはずです。そっと目を瞑り、そのエネルギーを感じてみてください。右手は私たちの魂であり、左手は地球の魂であると思ってください。二つの魂が深く交流し、しばらくすると両手の間のエネルギーが強まるのを感じてみるのです。

右手と左手、私たちの魂と地球の魂が、互いに近づきます。とてもゆっくり両手を近づけてみます。地球の魂と一つになろうとする私たちの切実な心が、私たちを呼ぶ母なる地球の切実な心が、お互いのほうへ近づいていきます。ついに両手が出会い、一つとなりました。私たちの魂と地球の魂が出会って一つになったのです。

非常に温和な感じのエネルギーがあなたを安らかに包み込んでいます。いま、あなたはエネルギーの中にいます。母なる地球の気持ちになって、その大いなる愛を表現してみてください。その愛が骨の髄まで沁みわたってきたら、だれしも涙を流さずにはいられません。私たちは涙を通じて母なる地球に出会えます。悲しみと涙を通して冷え切っていた心が温まり、世の中への慈悲があふれだします。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『セドナの夢』(三五館刊)より

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地球との交流法③「母なる地球の心と愛を感じとる」~李承憲著『セドナの夢』より

母なる地球と交流できる3番目の方法は、母なる地球の心、その愛を感じることです。母なる地球の心を最も簡単に感じとる方法は、その名を呼んでみることです。切々と母なる地球の名を呼べば、だれであれ、そのエネルギーを愛を感じとれます。

祈るように静かに繰り返し「マゴ」と言いながら深く没頭すると、いつしか「マゴ」は「お母さん」という言葉に置き換えられます。われ知らず、私たちは「お母さん・・・お母さん・・・・・」と呼んで、小さな子どもが見失った母親を探すように切ない気持ちで母なる地球を求めはじめます。

お母さん、母さん、地球母さん・・・・・。
切に母なる地球を呼べば、地球は私たちの気持ちを感じとります。その切実さが私たちの心を開いて魂を浄化し、母なる地球の嘆かわしい気持ちを伝えてくれます。母なる地球にとって全人類はわが子なのです。母なる地球は、私たちが自分のことを愛する以上に、もっと私たちを愛しています。

母なる地球の心と愛を感じとるとき、私たちの胸はその愛により満たされて堂々とし、聖なる偉大さに包まれます。大いなる静けさと平和の中で、涙によって浄化され、ようやく楽になれるのです。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『セドナの夢』(三五館刊)より

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地球との交流法②「体の中にエネルギーを入れる」~李承憲著『セドナの夢』より


母なる地球と交流するための2番目の方法は、そのエネルギーを感じとることです。地球の大気中にはエネルギーが充満しています。気を通じて、私たちは母なる地球のエネルギーを直に身体で感じることができます。

両手を上のほうに持ちあげてみてください。手に感じとれるのは何でしょうか。空気に触れることができるはずです。まさに、この空気の中に母なる地球の息づかいがあるのです。目を瞑って、手をゆっくり動かして空気の流れがどんなふうに変わるのか、感じとってみてください。

手を通じて母なる地球のエネルギーが顔のほうに、そして身体中に伝わります。私たちのまわりを漂う温かなエネルギーの中に母なる地球がいます。私たちは母なる地球の胸に抱かれているのです。母なる地球の息づかいと愛が感じられます。私たちの魂は気に乗って、厚い身体の壁を突き破り出てきて、地球の魂と一つになります。

母なる地球のエネルギーは私たちの身体と心を浄化し、不安定なエネルギーを調和させ、私たちの身体に活力と生命力があふれるようにしてくれることでしょう。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『セドナの夢』(三五館刊)より

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