「脳の目覚めが導く平和」~李承憲氏『息する平和学』より

一指 李承憲(イルチ イスンホン)氏は、幸福と平和のために、脳の活性化、すなわち脳教育の必要性を提唱してきました。脳教育の目的は、「自分が本当に願っていることは何か?」という心の声に純粋な気持ちで耳を傾けられるようになること。そして、思い描いたビジョンを実現し、なりたい自分になることです。

著書『息する平和学』の中で、李承憲氏は次のように語っています。「パワーある脳が集まって健康な社会をつくり、健康な文明をつくる」。同著によると、パワーある脳とは、3つの特徴を備えた脳のことを指します。すなわち、「創造的」「平和的」「生産的」という3拍子がそろった脳です。

◆創造的な脳
創造的な脳とは、明るい未来を思い描く脳です。柔軟な思考と創造の力で、どんな苦難も乗り越え、道を切り開いていきます。現実に屈服することなく、一歩一歩前に進むパワーを生み出します。

◆平和的な脳
平和的な脳とは、人と調和し、人を癒すことができる脳です。周りの人や出来事との調和、さらに、自らを癒すヒーリング能力などが備わった脳は、わたしたちを平和へと導きます。

◆生産的な脳
生産的な脳は、責任感を持ち、現実に対処できる脳です。時間や資源を浪費するのではなく、地に足をつけて行動することによって、夢を叶え、願っていた自分を具現化することができます。

「平和を実現できる力を育てる最もはやい道は、自分の脳を目覚めさせて脳と対話し、脳を活性化することだ」

李承憲氏は私たちにそう語りかけます。脳教育によって脳を覚醒させ、自らの脳の主となる。その先には、平和への道標が示されているのです。

身体の潜在能力を引き出すことは、脳の活性化につながります

脳に関心を持つ人が増えています。
成功哲学の一環として、自分の脳をもっと活用したいと願う人も増えています。

脳の活動は、外から見てわからないと思う人が多く、
『脳が今どんな状態なのかを確かめることはできない』と誤解されているようです。
しかし、脳の状態を知ることは難しいことではありません。
脳の状態は、身体の状態に反映されます。

李承憲氏が脳と体の関係を簡潔に説明してくれています。

「脳は処理したあらゆる情報を、自分のパートナーである身体で表現するのです」

身体の状態をチェックすれば、脳がどんな状態なのかもわかります。
そして、脳に必要なトレーニングもわかるのです。
李承憲氏は、そのことも簡潔に説明してくれています。

「身体と脳が緊密につながっていることから、私たちは身体を鍛え身体の潜在能力を引き出すことで、
脳の状態をも改善することができます」

自分の身体に潜んでいる能力を引き出すトレーニングを行いましょう。
そうすれば、脳の能力も引き出されます。
身体を鍛えて脳を活性化させることは、誰にとっても共通する成功哲学
です。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著  『脳波振動』 講談社、2009年発行、65ページより引用

新しいトレーニングで、脳を活性化させましょう

忙しいサラリーマンやOLの中にも、僅かな空き時間を利用して
さまざまな自己啓発やトレーニングに励もうとする人がいますね。

自宅と職場の往復など、単調な日常生活の繰り返しが何年も続いていると、
脳も体も自然と活気をなくします。
活性化させるには何か適切な刺激を与える必要があります。
そこで、限られた時間を最大限に活用して何かはじめようとする人も多いですね。
中には、『複雑なトレーニングをすると、普段の生活のリズムが崩れてしまうかも……』
などと考える人もいるようですが、そんなことはありません。
誰でも自分を活性化させることはできるのです。

李承憲氏が、このようなことを述べています。

「よく使う脳の部位に刺激をあまり与えたくなければ、これまで別に関心を傾けていなかった
体の別の部位を使えばよいのです」

李承憲氏が述べていることは、どんな条件の人でも
自分に適切なトレーニングが見つかるということです。
普段の生活で行わない動きを取り入れることで、自分の脳を活性化させましょう。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著  『脳がわかると人生は変わる』 講談社、2007年発行、154ページより引用

私益だけではなく、公益を考えると脳は活性化します

夢や希望を叶えるために頑張ることはとても素晴らしいことです。
大切なことは、自分の夢だけでなく、
私たち全体の利益についても、忘れずに考えることです。
脳を活性化し、その能力を引き出す意味でも、
全体のためになることを考えることは、成功哲学の一環でもあるのです。

そのことについて、李承憲氏がわかりやすく説明しています。

「欲望、支配、競争、所有、私益といったものは、感情の声です。
それはあなたに人より早く、多くのものを所有するよう要求します。
 その要求に従うと、人間にとってもっとも大切な調和やバランスが崩れてしまいます。
バランスが崩れてしまったために、私たちの身体や心が不健康になっているのです。
 社会も同じです。平和で、安定した社会にするためには、まず感情の声を
小さくしなければなりません」

李承憲氏の言葉通り、公益を求めることで、脳の眠っている能力を目覚めさせることができ、
平和で安定した社会をつくり出す原動力になります。
私益だけではなく、公益を求めることは、
自分にとっても、社会にとっても共通する成功哲学ということができます。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著  『脳波振動』 講談社、2009年発行、102ページより引用

歩くことで、問題の解決策が見つかることがあります

人生の最後のときまで、健康で幸せに暮らし続けることを願う人々が増えています。

長く続けられる健康法に、ウォーキングがあります。
歩くことで身体を健康に保てるばかりか、脳を活性化する瞑想法としても
効果を期待できます。

李承憲氏が、ウォーキングをするときに
合わせてやってみるといいことを教えてくれています。

「心の中に溜まっているストレスや考え事を声に出して言ってみます。
周りに誰もいないときは、大声で気が済むまで言い続けましょう。
周囲の木々や草むらに話しかけているように、自分のすべてを率直に
吐き出します。
 自分がなぜ落ち込んでいるのか、なぜ浮かない顔をしているか、
その原因がわからないとき、この方法を活用すると、原因と解決策を
見つけることができます」

李承憲氏の説明のように、歩く瞑想法を実践しながら、
溜まっていることを声に出して言ってみてください。
それによって今まで思いもつかなかった解決策が得られることもあるかもしれません。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著  『ジャンセンウォーキング』 講談社、2008年発行、130~140ページより引用

私たち全体の夢を考えることで、脳が活性化します

脳が活発に働くことは、どんな目的を成功させたいときにも欠かせません。
脳の機能を最大限に引き出すことは、究極の成功哲学だと考えることもできます。

脳を活性化させるためには、自分の夢についてばかり考えるのではなく、
私たち全体のための夢について考えることです。
大きな夢のことを考え、追い求めることで、脳は活性化して元気になるのです。

李承憲氏が脳の活性化について説明しています。

「自分の利益のためだけの目標であれば、あなたの脳は一部の能力しか発揮できないはずです。利己的な願望は、エネルギーの波動を弱めます。同じ成功でも、どんな形の成功なのか、何のための成功なのかによって、あなたに流れ込む宇宙のエネルギーはバケツ一杯ほどの量になったり、海のように巨大で限りないものになったりするのです」

李承憲氏の説明の通り、
私たち全体の夢や利益を考えることで、脳に大きなエネルギーが流れ込みます。
私たち全体のための成功を目指すことで、脳は存分に能力を発揮できるのです。
それは私たち全体にとって、共通の成功哲学でもあります。

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著  『脳波振動』 講談社、2009年発行、101ページより引用