「調和と愛」こそが、真の欲求だ

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は、人間を突き動かす行動原理として、3つの欲求をあげています。それは、「安定・安心を求める欲求」「人に認めてもらいたいという欲求」「他の人を思ったように動かしたいという欲求」です。多くの人の行動の大半は、この3つの欲求を満たすために行われていることが多いといいます。

しかし、実はこの3つの欲求よりも人間的な欲求があると、李承憲氏は言います。それは、「調和と愛に根をおろし、あらゆるものと一つにつながりたい」という欲求です。李承憲氏著『悟りの哲学』によると、その欲求は、私たちを一番人間らしく、また「神聖な存在」に導いてくれるものです。そもそも、私たちがこの世に生命を受けた理由は、この欲求を実現するためだと李承憲氏は言います。

「あらゆるものと一つになりたい」という欲求は、魂の深いところから湧き出ており、本能よりももっと深いところに隠されています。あらゆるものから解放され、ただ愛されているという感覚が、どれほど素晴らしいか考えたことがありますか。もしあるのなら、それは私たちの魂が、私たちには何が大事なのかを気づかせるために送ってくる合図です。私たちの人生には、熾烈な競争をして生き残るために争うことより、もっと素晴らしく美しいことがあるのです。

李承憲氏は、調和と愛の尊さに気づき、目覚めることは、すなわち「悟り」だといいます。そして、悟ることだけがこの魂の欲求を満足させる道なのです。