1つ目の徳目~「正直」

魂の成長に欠かせない第1の徳目は、「正直」です。正直とは、偽ったり、騙したりせず、内心思っていることと表向きの言動、すなわち「本音」と「建前」が同じでいる状態です。

正直ではないことを「不正直」といいますが、これは2つに分類されます。1つは、意識的な不正直です。本人がウソだと分かっていながらウソをつくことです。金銭欲に目がくらんで会社の機密をライバル社に売り飛ばす会社員、名誉欲に目がくらんで他人の論文を自分のものと発表する学者、自分の権力を個人的な利益のために使う政治家などが意識的な不正直に当たります。これらは、いずれも「欲」が動機になっています。

不正直の2つ目は、無意識な不正直です。いわば「悪意のない小さなウソ」です。子供が自分の過ちを隠すために親に無意識にウソをつくようなものです。誰しも人生でそのようなウソをついたことがあるでしょう。悪意のないウソも繰り返していると性格の一部になってしまいます。正直をより意識的に自覚し、自らの人生のすべての面において正直かどうかを省みることが大切です。

魂の成長のために正直でなければならない理由は、大小の不正直が集まって自分の本性を覆う幕になってしまうからです。本当の姿が見えなければ、進むべき道筋も見えてこないでしょう。

まずはエゴの欲望を手放さなければなりません。欲望に執着しなくなると、自分の人生のあらゆる場面で正直という品性を育てることができます。このような潔癖さと透明性は、よりよい人間関係を築くのに役立ち、魂の成長に肯定的な影響を与えます。

私たちは人間なので完全無欠にはなれません。ときには失敗もします。でも、いかなるときにも正直さを失ってはいけません。良心に照らし合わせて恥ずかしくないくらい自分の心を磨き上げ、輝かせるのです。

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