ほんとうの願いが、悟りへと導く

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

よく「悟り」について、質問を受けます。

「悟りとは何ですか?」

「どうすれば悟ることができますか?」

「あなたはすでに悟りを開いたのですか?」

このような質問を受けとき、私は逆にその人に尋ねます。

「何のために悟りたいのですか?」と。

悟りに関して対話するには、その目的がはっきりしている必要があります。物欲や金銭欲、支配欲、名誉欲を満たすためなら、悟り開いても役に立たないからです。

悟りとは、すべての存在を自覚することであり、悟った人とは、世の中の健康や幸福、平和のためにすべての力を捧げる人です。悟ったからといって、私利私欲が満たされるわけではないのです。世の中の健康や幸福、平和を願う気持ちは、だれの脳にも備わっています。だから、本来であれば、悟りは、誰でも開くことができます。しかし、固定観念や否定的な情報が邪魔をして、こうした「真の願望」を引き出すことができないでいます。

脳に眠っている願望を引き出すにはどうすればいいのでしょうか?まずは脳に尋ねてみて下さい。「私は誰なのか?」と。これはなかなか答えが出ません。がんばっても答えが出ないので、大抵の人はあきらめてしまいます。でも粘り強く続けて下さい。あきらめずに尋ね続ければ、脳は無数の脳細胞を総動員して答えようとしてくれます。やがて、脳に感覚的、物理的な変化がおき、脳が統合へと向かいます。脳が統合したとき、ほんとうの願いが分かり、覚醒が生まれます。この覚醒こそが、あなたを悟りへと導くのです。