脳教育で変化する力を身につける

~一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)著『脳がわかると幸せが見える』から要約~

人は環境次第で劇的に変わることができます。脳教育は、そのきっかけとなります。

人の特性が、遺伝的な要因と、環境的な要因によって決まるということは、よく知られています。では、どこまでが遺伝で、どこからが環境の影響なのでしょうか?

実は、お母さんの体のなかで卵子と精子がくっついた瞬間から、環境が新しい生命に影響を与え始めます。母親の子宮の中で成長している間、遺伝要因と環境要因が横糸と縦糸のように絡まりあい、人間の特質を作り出します。
もちろん脳もその一部。体と同じように、遺伝と環境に影響されて育ちます。遺伝子が持つ情報によって脳の下絵が描かれ、その上に環境が絵を描き加え、彩色します。遺伝子が脳を完全に支配することはできず、環境が大きく作用するのです。

環境要因の中で大きいのが、両親の存在。すべての脳は、遺伝的特質よりも高い潜在力を持っており、その潜在力を呼び起こすには、お父さん、お母さんが子供の可能性を信じることが大切です。

両親が子供を信じていれば、子供自身も自信を持てます。自分を信じることで、脳の力がぐんとアップします。そのサポートをするのが、脳教育です。

脳教育で自信がついた人は、態度が肯定的になります。肯定的な態度とは、外部から入ってくる情報に柔軟に反応し、変化し、成長できる下地ができるということです。

自分の失敗や過ちによって意気消沈したときは、自分自身にこう言い聞かせて下さい。

「過去の私はそうしただろう。しかし、今は違う」と。

過去の経験を恥じたり、否定したりするのでなく、素直に認める瞬間、緊張で固くなった脳の回路が解かれ、新しい考え方に切り替わるのです。